宇宙陰陽概論
人に男と女の性別があるように、世の中には相対立する2つの概念が存在します。例えば天と地、日と月、昼と夜、北と南などがそれです。古代中国ではこうした二元論が信奉されていたのですが、重要なことはそれが相対的な二元論であるということです。
そして、これは物理的な陰陽に留まらず心理的、精神的、主観的な人に関わる事象、現象においても陽と陰、プラスとマイナス、吉と凶など相(あい)対する概念が存在します。
尤もそれは多分に客観的要素を欠くと言いながらも万事万象に広く見い出すことができる規律となっています。こうして演繹(えんえき)的に世界を見渡してみると、宇宙に関する事象総(すべ)てが相対する2つの概念を必ず有していることに気づくことでしょう。
古代中国から陰と陽の学問として研究されている六爻預測学の宇宙観によれば宇宙本体もプラスの宇宙とマイナスの宇宙の二つから構成され、宇宙自体が一つの膨大な陰と陽の集合体と考えます。そこには、陽だけが単独に存在することはなく、また陰だけの単独の存在もありません。陽が無ければ陰も無く陰が無ければ陽も無いのです。逆に、陽があれば、陰もあり、陰があるから、陽もあるのです。即ち総て宇宙の事象は、陰と陽とにより成り立ち、どちらかが欠けても宇宙は存在できないのです。陰という存在があるからこそ、対立概念としての陽も存在できるのです。そして、陰陽二つが相互に影響を及ぼし合いながら、さらに大きな陰と陽の体系の中に包含されており、その大きな陰陽のバランス上に生命が誕生し、成長し、遂には消滅するサイクルを繰り返していると考えるのです。
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