協定世界時(UTC)
セシウムを利用した原子時計から原子時(TAI=国際原子時)が決定されることはわかりましたが、地球は球形で、かつ自転しているため必然的に各地で時差が生じます。そこで世界の時刻をグローバルに管理する上で、世界統一の標準時刻を導入する必要が出てきました。ところが、地球には太陽や月の影響で潮汐(ちょうせき)現象が起きるので、これが地球の自転速度を減速させます。ですから地球の自転周期は長くなり、天体観測を元に割り出すGMT(=グリニッジ標準時)との間には100年間で18秒程度の差が生じると言われています。この時差を0.9秒未満に抑えるために閏秒(うるうびょう)を挿入し、世界の時間を人工的に管理しているものこそが、協定世界時(UTC)です。日本標準時はUTCより9時間進めた時刻を採用し、これをJST(日本標準時)として利用しています。
太陽の運行をより反映したものがGMTですから、GMTは比較的自然の様態と一致した時間体系であると言えるでしょう(もっともUTCとGMTの間に大きな時間のズレはありません)。これから当ブログでは、暦という自然から導かれた時間体系について議論を進めますが、おそらくGMTの考え方は易学の暦の考え方とマッチしていると思います。
ちなみに、現在、中国では中国標準時CSTが採用されています。これは協定世界時との差を8時間とするものです。つまり、UTC+8となります。その基準は北京のある中原(東経120度)の時刻です。ところが、中国国土は東西に長くて広いことから東端と西端でなんと4時間近い時差が生じてしまいます。そのため中国では、北京の中央気象台が国土をさらに縦に5つの時区に分ける方法を採用しているのです。
○陇蜀時区:東経105度が中央子午線。UTC+7
○新藏時区:東経90度が中央子午線。UTC+6
○崑崙時区:東経75(82.5)度が中央子午線。UTC+5:30
○長白時区:東経135(127.5)度が中央子午線。UTC+8:30
写真:グリニッジ天文台
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