二十四節気の伝統意義

　二十四節気は天文学的な観点によって作られた暦ですが、実際に庶民が使用する際は、各節気に対して意味づけがなされてきました。ここでは中国で考えられてきた伝統的な意義について説明します。

【二十四節気の伝統的意義】

〇立春：　春の季節の開始です。立は開始の意味があります。

〇雨水：　降雨が開始します。雨量は漸増します。

〇啓蟄：　雷鳴・雷声の開始。冬眠していた動物が動き始めます。活動再開。

〇春分：　春の季節の中間。昼夜の時間が同じ（昼夜平分ちゅうやへいぶん）です。

〇清明：　気候は温暖、天気は清和明朗で、草木が繁茂します。

〇穀雨：　降雨量が増多します。穀類の生長に有利な季節です。

〇立夏：　夏の季節の開始です。

〇小満：　麦類など夏に収穫する作物の実が徐々に飽満(ほうまん)します。

〇芒種：　芒種は種蒔きが忙しい時期で、麦類など作物が熟れます。

〇夏至：　夏天（かてん）（夏日）の到来です。白天（びゃくてん）が最長、夜晩は最短。 〇小暑：　正に「初伏（しょふく）」前後に相当し、気候は炎熱開始で暑くなります。

〇大暑：　一年中で最も炎熱となる時節です。

〇立秋：　秋の季節の開始です。気温は徐々に下降に向かいます。

〇処暑：　“処”は身を隠し終止する意です。炎熱が過ぎ去ることを示します。

〇白露：　夜間が涼に転じることで、空気中の水気がよく結露します。

〇秋分：　秋の季節の中間です。昼夜の時間が同じ（昼夜平分）です。

〇寒露：　気温が降低し冷たさを感じます。夜間は露が生じるほど冷涼です。

〇霜降：　気温は更に冷たさを増し、霜が降り始めます。

〇立冬：　冬の季節の開始です。

〇小雪：　雪が降り始めます。

〇大雪：　降雪が比較的多く、積雪になる時節です。

〇冬至：　「数九」＝“寒の入り”開始です。寒い時節で、白天は最短、夜晩が最長です。

〇小寒：　気候はすでに冷たく、水も凍る寒冷な時節です。

〇大寒：　一年中で最も寒く冷たい時節です。

※中国では穀雨の「穀」を「谷」と表しますが、「谷」は穀物、食糧の意です。

　これは「雨生百谷」に由来し、雨が百穀を作るという考えで、穀物を育む雨と

　その降る時期を穀雨としたのです。

※中国で「白天」は日出～日没の日中、「夜晩」は日没～日出の夜間の時間帯を指します。

※初伏とは「三伏（さんぷく）」の一つで、二十四節気の夏至の後に訪れる３度目の

　庚(かのえ)日を言います。

　三伏は夏暑い時期を指し、中伏（ちゅうふく）（夏至後４度目の庚日）末伏（まっぷく）

　（立秋後最初の庚日）もあります。

※数九（shujiu）とは、九日を九回＝８１日を数えることを言います。

　冬至から数九していきます。

　冬至から「寒の入り」し、最初の九日を「一九」、次の九日を「二九」とし、

　「九九」まで数えれば、冬から春になるというもので、「数九歌」という春を数える

　歌もあります。

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